日々、社会状況が急激に変化する現代。最近でも、パンデミックにより業界構造が大きく変化しました。
現在勤める会社や業界全体の先行きが不透明で、他業界への転職に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
IT業界を転職の候補としている場合、下記のような疑問・悩みを抱えてはいませんか?
- パンデミックの影響で業界の先行きが不安。業界を変更したほうが良いのか、日々悩んでいる
- 今の業界は全体的にブラックな傾向。せっかく業界を変えるなら、ワークライフバランスを重視し家族と過ごす時間を増やしたり、趣味を楽しみたい
- 業界シフトの候補としてIT業界を考えているが、IT業界の営業は”キツイ”と聞くので不安
実は、IT業界の営業職は、業界構造を理解した上で会社選びを行うことができれば、比較的ホワイトな業界・職種といえるでしょう。
なぜなら、IT業界を13年間、3社で営業職を経験したことのある私は、これまで心の病もなく、ワークライフバランスが充実した生活を送っているからです。
※ちなみに著者は、学生時代に鬱経験があり、けっして鬼メンタル保持者ではありません!!
- これまでの社会人生活で、休日出勤は5回、徹夜も3回程度しか経験がない
- 現在は毎日が在宅勤務(テレワーク)で、3食や土日・連休は家族と共にしている
しかし、IT業界の構造を理解せず無知な状態で転職してしまうと、とたんにブラックな業界へとなり替わります。
この記事では、IT業界×営業職の実態について、ホワイトな職場選びに成功した私の実体験を踏まえてお伝えします。
【ステータス(略歴)】
独立系SIerに新卒で入社し3年間従事|大手SIerに転職後、業界の構造や顧客への振る舞い方などの経験を積む|ソフトウェア・パッケージ開発メーカーに転職するも2年間実績を出せず凹む|Giverの精神を忘れずスキルアップを図り、トップセールスへのし上がる|広報/直販営業/代理店営業を経験|新規サービスの営業企画リーダーを努め、日々邁進中
【熟練度(職務経験)】
直販営業の熟練度:
代理店営業の熟練度:
広報・プロモーションの熟練度:
商品企画の熟練度:
この記事を最後まで読めば、IT業界の実態を理解し、未知の業界に対する漠然とした不安が解消されます。
現在、家族と過ごす時間や趣味に没頭する時間がないあなたも、ワークライフバランスのとれた生活を送ることができますよ。
- IT業界×営業がキツイと言われる理由と実態
それでは、本題に入っていきましょう!
IT業界×営業が”ブラック”と言われる4つの理由と実態
IT業界をよく知らない方は、IT業界の営業に対して、下記のようなイメージを抱いているのではないでしょうか?
なお、これらのネガティブな印象は、
- 私が大学生のころ思っていたIT業界の印象
- 異業種から転職してきた2人の後輩
- Googleのサジェストキーワード
をベースに4つほど算出してみました。
実体験+同業者のエピソードを交えながら、業界の実態を説明していきます。
鬱になりやすそう
IT業界の営業って、鬱になるイメージがあるなぁ・・・。
確かに!!IT業界によらず、営業職全般で言われることですが、数字(予算)に追われ疲弊しているシーンを想像する方も多いかもしれませんね。
果たして、IT業界従事者は、鬱になることは多いのでしょうか?
公知情報を基に、統計をまとめてみました。
精神障害の業種別請求割合(2021年度統計)
業種 | 業種別就業者数 | 精神障害の業種別請求 | 割合 |
---|---|---|---|
卸売業・小売業 | 10,620,000 | 282件 | 0.0000266 |
製造業 | 10,370,000 | 326件 | 0.0000314 |
医療・福祉 | 8,840,000 | 488件 | 0.0000552 |
建設業 | 4,820,000 | 89件 | 0.0000185 |
サービス業(他に分類されないもの) | 4,490,000 | 312件 | 0.0000695 |
宿泊業,飲食サービス業 | 3,690,000 | 92件 | 0.0000249 |
運輸業・郵便業 | 3,500,000 | 202件 | 0.0000577 |
教育・学習支援業 | 3,460,000 | 77件 | 0.0000223 |
情報通信業 | 2,560,000 | 111件 | 0.0000434 |
金融業・保険業 | 1,660,000 | 64件 | 0.0000386 |
労働政策研究・研修機構:『産業別就業者数(男女計、就業者数計=6,667万人、2021年平均)』
を基に作成
上記の表から、うつ病の労災申請が多かった業界(ワースト5)は以下の通りです。
1位:サービス業
2位:運輸業,郵便業
3位:医療・福祉
4位:情報通信業
5位:金融業・保険業
残念ながら、IT業界(情報通信業)はワースト4位といった結果になりました。
世の中のイメージは、あながち間違っていなさそうですね。
なお、IT業界(情報通信業)としてしか分析ができず、IT業界の”営業”としては正確なデータが取れませんでした。
そのため、”私の実体験”や、”IT業界の営業に従事する知人”のエピソードをまとめてみました。
- IT業界を3社経験している私の経験上、自身や身の回りでは、”数字に追われて”鬱になった人は一人もいない
- 私も過去に2年程、全く数字があげられなかった経験があるが、会社からプレッシャーをかけられたり、罵倒されたことは一度もない
- 鬱になった人は複数見てきたが、いずれも『数字が絡まない人間関係』で鬱になっている(上司や取引先)
あくまで私や知人のエピソードですが、IT業界という特性が原因で鬱になったケースは見たことがありません。
ただし
- 求人で転職サイトで完全成果主義を謳っている企業
- 年収1,000万円以上の年俸が約束されている外資系企業
は数字にシビアな傾向が強く、数字のプレッシャーに押しつぶされるケースがあるかもしれません。
専門用語や横文字ばかりでついていけない
IT業界って、『横文字』や『専門用語』が多そう。未経験の自分が転職して、ついていけるかな・・・。
めちゃくちゃよくわかります!
大学生のころ、IT業界に抱いていた印象はまさに『横文字』と『専門用語』が多そう・・・という点でした。
IT業界のネガティブな印象2つ目は、『横文字』や『専門用語』が多そうという点でしょう。
30を過ぎてIT業界未経験から転職してきた後輩のエピソードを踏まえ、まとめてみました。
- IT業界特有の横文字の専門用語やアルファベットの略称が多い
- 他業種のお客様と会話する機会が多い私の経験上、どの業界でも専門用語が多い印象
- IT業界未経験の後輩も、最初は専門用語に戸惑っていたが、1年たった今、得意げに専門用語を多用している(要は慣れ)
どの業界にも専門用語はあります。要は慣れです!
- 専門用語や略語は意味は理解する必要はあるが多用はしない
- お客様に伝わる一般表現に変換することが営業としての差別化につながる
重要なのは、専門用語を伝わる表現に変換する思いやり!
システムトラブルで休日返上
IT業界って、夜間に急なシステムトラブルでお客様に呼び出されて、そのまま数日家に帰れない印象があるなあ・・・。
ドラマとかでも見たことあるシーンですね。
- 私はシステムトラブルで休日返上をしたことはない
- 夜間対応や休日返上をしなければならないのは、技術(プロジェクト責任者や現場エンジニア)のほうが多い
- 前職の先輩(営業職)のエピソードで、一度だけ休日返上して技術と共にお客様対応したと聞いたことがある
お客様へ納品しているシステムの分類にもよりますが、確かにシステムに不具合が生じた場合、緊急対応しなければならないことはあります。
ただし、ここで休日返上をしなければならないのは、営業というよりは技術(プロジェクト責任者や現場エンジニア)のほうが多いのが実態です。
また、仮にシステムトラブルで休日・夜間対応をすることになった際は、代休を活用できます。
ひと昔前までは、休日返上してそのまま平日も仕事、といったことがあったのかもしれませんが、昨今では法制度や労基署が黙っていません。会社としても、コンプライアンスを意識し従業員への代休取得を強制してくる程です。
働きやすい世の中になりました!!
IT業界の営業はいらない?AIに奪われる?
よく「IT業界の営業はいらない」って聞くけど、将来、AIに奪われたりしない?
確かに、googleのサジェストキーワードでも「IT営業 いらない」って出てきますね!
「IT業界の営業はいらない」という主張の中に、将来歴にはAIに食われる可能性があるという意見がありそうですね。
IT業界の営業として、AI技術の現状を把握している筆者が、本当にIT営業がAIに仕事を奪われるのか?主張をまとめてみました。
- 非定形な仕事の代表である「営業職」がAIに仕事が奪われる未来を、著者は想像できない
- 企業はDX化の対外アピールに向け、無理にAI技術を活用しようと莫大な投資を行っている
- しかし、2022年時点でのAI技術は道半ば。完全に定型化された業務でないと、AIを生かすことができない
- 著者もAI技術を活用した提案を行うことがあるが、投資対効果が合わず、提案範囲外になるケースがほとんど
業界に限らず、営業職は原則『人とのコミュニケーション』が必要不可欠です。
具体的には、
- 自社の商品/サービスを活用し、顧客のメリットや価値を提案する仕事
- 顧客(人)の課題の真因を突き止め、顧客(人)と協調し、顧客(人)とメリットや価値を創造していく
が営業職の真髄です。人ほど非合理かつ非定形な存在はありませんので、今後も営業職がAIに仕事を奪われることは考えづらいです。
野村総合研究所のレポートでも、「創造性、協調性が必要な業務や、非定型な業務は、将来においても人が担う」と言われています。
しかし、技術の進歩は目まぐるしい昨今、AIが非定形的な仕事にも適応し、「営業職オワコン」と言われる未来がくるかもしれません。
AIに仕事を奪われないよう、日々のスキルアップし続ける意識は重要です。
AIに仕事を奪われないよう、日々のスキルアップし続ける意識は重要ですね!!
まとめ IT業界×営業=ブラックは誤解 でも職場選びは重要
- 統計的にIT業のうつ病率は高いが、営業職でうつ病になった知人は少ない
-
- 会社からプレッシャーをかけられたり、罵倒されたことは一度もない
- 知人で鬱になった人は複数見てきたが、いずれも『人間関係』で鬱になっている(業界や職種に因果関係はない)
- IT業界は確かに横文字は多い!でも結局は慣れる
-
- どの業界でも専門用語や横文字はある
- 本質は、専門用語をお客様に伝わる表現に変換する思いやり
- 営業がシステムトラブル対応するケースはほぼない
-
- システムトラブルの際は、基本的には技術(責任者や現場SE)が緊急対応する
- 休日返上で技術と共にお客様対応することもあるが、ごく稀
- 非定形な「営業職」がAIに仕事が奪われる未来は想像できない
-
- 2022年時点でのAI技術は道半ば。完全に定型化された業務でないと、AIを生かすことができない
- とはいえ技術の進歩は目まぐるしい。AIに仕事を奪われないよう、日々、自信の価値を高めよう!
補足)業界構造を理解しないで誤った会社選びをすると、途端にブラックな業界に
『IT業界の営業』と一括りにいっても、
- 営業職の役割
- 取り扱い製品/サービス
- 業界内のポジション
などにより、立ち振る舞い方は様々です
特に、業界内のポジションによっては、ブラックにもホワイトにもなるのがIT業界です。
IT業界は、元請け(プライム)・二次請け・三次請け・・・・といったピラミッド構造で成り立っています。
いうまでもなく、下請けのメインの会社になればなるほど、ブラックな職務環境になっていきます。
決して、すべてのIT業界の営業がホワイトというではないことは念頭においてくださいね。
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